ライアーゲーム秋山深一様にぞっこんLOVE!!(笑)
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「abyss10話」前編


「あ...きやまさ...」

覆いかぶさるようして倒れこんできた秋山を直は呆然と見つめていた。
彼の背に刺さるナイフが鈍く光って直の恐怖心を煽る。
目の前で起こったあまりの凶事に直はたじろいでいた。
喉がカラカラに乾いて、仕方がない。
秋山を呼ぼうにも掠れた声は空気の中に霧散していく。
彼の背からどくどくと流れる赫い血だけが色をなす世界に
直は取り残された。
そんな衝撃の強さに我を失っていた直を
現実へ引き戻したのは谷村の声だった。
「お嬢ちゃん、しっかりしないか!!」
「...え。」
怒号にも似た叫びに揺り動かされて直ははっと身じろいだ。
ようやく焦点のあった瞳が谷村を見つめる。
彼は武見の身体を取り押さえながら、
直に叱咤するような目線を投げかけた。
「目が覚めたか、お嬢ちゃん?ボサッとしている場合じゃないぞ。
取り合えずナイフは抜かないで、秋山をうつ伏せに寝かせろ。
そしてすぐにエリーを呼んでくるんだ!!」
「谷村さん、」
おずおずとしている直を奮い立たせようと
谷村はもう一度強い声で叫んだ。
「早くいけ!!」
「はいっ」
谷村の剣幕に押されて、直は言われたとおり
秋山をうつ伏せの姿勢にして寝かせた。
軽く動かしただけで、意識を失っている秋山の表情が苦悶に歪む。
直は心がはり裂けそうになるのを堪えて、立ち上がった。
自分が秋山の為に出来ることは一つだけしかない。
溢れる涙を押さえながら、直はエリーがいる部屋へと走った。
秋山を救う、ただそれだけの為に
直は全速力で走っていた。



「エリーさん!!」

慟哭を抑えて部屋へと駆け込んだ直の目に映ったのは、
見知らぬ男がエリーのこめかみへと拳銃を突きつけている姿だった。
男は直を認めると、にやりと嘲るような笑みを口元へ浮かべた。
「はじめまして、神崎直さん」
長めの髪ををなびかせながら
男はじとりと直を観察するように見つめた。
無遠慮な視線に思わず身が竦みそうになる。
男の中に宿る邪悪の影を直は敏感に感じ取っていた。
「神崎様、私に構わずあなたは秋山様を連れてお逃げください!!」
男に拘束され、銃を突きつけられた状態でエリーは叫んだ。
そんな彼女を男はためらいもせず銃のグリップで殴り倒した。
頬を紅潮させ、快楽を昂ぶらせた微笑を浮かべながら
男はエリーを人形のように床へと沈めた。
「エリーさんっ!!」
「か...んざき...さま、三島は危険な男です。はやく逃げなさい」
渾身の力で直へ警告を告げるエリーを
男、三島駿は前足で軽やかに蹴り上げた。
「やめて!!」
直の叫びも虚しく、三島は残酷に何度も何度も鋭い蹴りを
エリーへと食らわせていた。
「うざいよ、長谷川衣里。少し黙っててくれないかなぁ」
血を吐きながら2.3度転がったエリーには目もくれず、
三島はくすくすと笑いながら直のおとがいへと手を伸ばした。
抗えない強い力で上を向かせられた直は三島の邪眼に捉えられた。
秋山を想って泣き腫らした直の赤い瞳。
まるで子兎のようなそれが三島の嗜虐芯を見事に刺激していた。
「そんなに怯えないでよ、僕は三島駿。このゲームの主催者で
君の大切な秋山とは幼馴染といったところかな?」
「幼馴染?あなたと秋山さんが?」
「そう。まっ、秋山は覚えていないかもしれないけど」
勘にさわるようなくすくす笑いを止めない三島を直は強い瞳で睨んだ。
床へと横たわるエリーへ依然として拳銃を向けたままの三島は
直の軽蔑を込めた眼差しなどものともせずに話を続けた。
「ねぇ神崎さん、僕は秋山を憎んでるんだ。ずっとずっと昔からね。
だから復讐をしたくてさ、こんなゲームを仕組んでみたんだ」
三島は恍惚の表情を浮かべながら、苦闘する秋山の姿を夢想していた。
冷徹無比だった彼が誰かを思い、苦しむ様ほど、
悦楽を感じるものはなかった。
ぞくぞくと血が逆流するほどの昂ぶりに興奮を覚えた。
でもまだまだ足りない。
神崎直を逆手にとれば、
秋山はもっともっと快楽を充たしてくれる行動に出るはずだ。
残酷な策をめぐらせようとする三島に向かって
直は清廉な思いを紡ぎだした。
「復讐って、もう充分じゃないですか!!
秋山さんは酷い怪我を負っています。
早く手当てしないと死んでしまうかもしれません!!
私にはこんなところであなたと話している暇はないんです、
早く秋山さんを助けないと!!」
「秋山、秋山、秋山!!君って子は馬鹿のひとつ覚えみたいで、
ホント勘に触る女だな!」
いきなりの三島の激昂に直はびくんと身を震わせた。
得体のしれない感情の波が直を襲う。
三島は暗い眼で直を一瞥すると、蔑むように低く笑った。
「それでは君がその身をもって秋山を助けてみてはどうだい?」
くくと喉の奥で笑った三島がぱちんと指を鳴らすと
モニターに電源が戻った。
唐突に映し出されたのは、秋山の背に刺さるナイフに手をかけた
成宮の姿だった。
「秋山さん!!!」
「僕が指示をだせば秋山の背に更にふかーくナイフが刺さって
奴は死ぬよ」
三島は背後からそっと彼女の両肩を抱き、
耳元に囁くように脅しをかけた。
迫る脅威に身を硬直させた直は大きな瞳を見開いたまま
画面の向こうの秋山を見つめていた。
「秋山さん...」
苦しそうな表情は相変わらずで、
心なしか先程より顔色が蒼白に見えた。
きっと失血によるものなのだろう。
早く、手当てしなければ三島の言うとおり秋山は死んでしまう。
そんなことには絶対にさせない。
直の持つ気丈なまでの強さが心を奮い立たせていた。
三島が何を要求してくるのか分からない。
けれど、自分が動くことで秋山が救えるのならそれでいい。
そんな壮絶なまでの決意に燃えながら、
直は三島を清らかな瞳で見返した。
「秋山さんにこれ以上酷いことをするのをやめてください。
秋山さんに手を出さないかわりに私に何かを望むというなら
私は喜んであなたの言うことに従います」
ためらいもせずに言い放つ直をエリーの声が押しとどめた。
あまりにも痛々しい覚悟を黙って見過ごすわけにはいかない。
エリーは苦痛の最中、必死で声を絞り出していた。
「神崎様、いけません」
エリーの気持ちがひしと伝わる。しかしもう後戻りは出来ない。
秋山を救うために犠牲になるのなら構わない。
何かを思い立ったような、そんなすがしい表情を浮かべた彼女は
エリーの傍らへとしゃがみこんだ。
「エリーさん、こんな目に合わせてごめんなさい。
秋山さんを頼みます」
「神崎様...駄目です。三島は、あなたに何をするのか分かりません、
ですから!」
「私、秋山さんを助けたいです。
今まで秋山さんがいつも私を助けてくれていたように
今度は私は秋山さんを守る番なんですよ、エリーさん」
エリーの口から流れる血を指先でそっと拭い取った直は
すくっと立ち上がり、三島と向かい合った。
直の気強い眼差しから彼女の決意を感じ取った三島は、
彼女へ向かって手を差し伸べた。
「では、参りましょうか?お姫様」
空々しい三島の言葉に頷き、直は差し出された手を静かに取った。
これからどういう運命が待ち受けているのか。
秋山への思いだけを糧にして、
真っ直ぐに進む直の前には暗雲が立ち込めてはじめていた。

続きはサイトへアップします。

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